青梅は毒ではないですか?

コラム

Q:青梅は毒だから食べてはいけない?

梅酵素に使用するのは、青梅ですが、親から「青梅は毒だから食べてはいけない」と言われてきました。青梅でも酵素に使用すれば安全なのでしょうか?

A:毒を中和するのが発酵文化ですので大丈夫です。

昔からそのままの植物や果実を食べるには、危険なものがありました。

毒性のある部分を外す、あく取りする、火を通す…、さまざまな取り組みで植物に宿る毒物を中和させ、摂取してきました。

例えば、ソテツ。

ソテツ(蘇鉄)にはサイカシンという有毒成分が含まれていますので、その毒素を外す必要がありました。

ソテツの毒素の外し方:

皮を剥いて、
中の白い芯を乾燥させる

何度か水にさらしたあと、
布でくるみ暗い場所で発酵させる

水さらしを繰り返し、
細かく砕いて水に漬け、
そこに沈んだデンプンを集め、
団子状にまとめる

これを乾燥させて保存する

サイカシンは水に溶け、
デンプンは水に溶けない

この性質を活かして
何度も水にさらすことで
サイカシンを取り除きます。

また、発酵による、
コウジカビの酵素によっても
サイカシンを分解できるそうです。

鹿児島県の奄美諸島では、島津家の
圧政による厳しい飢えをしのぐために
ソテツを食用していたそうです。

江戸時代、年貢のため、島の農地は
すべてサトウキビ畑にされました。

島津家の取り立ては厳しく、島民が
指についた黒糖を舐めただけでも
ムチで叩かれたそうです。

悲しい歴史ですね。

話を本線に戻します。

毒素の中和は、自然界が私たち
人間に投げかける「とんち」
なのかもしれませんね。

先人の試行錯誤により、
植物が安全な食物になる。

連綿と知恵を紡いできた
人間ならではの恩恵ですね。

青梅も、そのままでは
青酸配糖体という毒素があります。

でも、手作り酵素が作られる過程で
その毒素は中和されます。

トリカブトなどの猛毒植物でも
30種類以上の植物とともに仕込めば
毒素は中和されます。

ちなみに、青梅の毒素ですが、
万が一、摂取したとしても、
その毒性は薄いそうです。

成人でピンポン玉サイズ約300個、
子どもなら100個ほど食べないと
深刻な影響は出ないそうです。

安心して仕込まれてください。

よろしくお願いします。

参考サイト:
アキバ博士の食の知恵と文化
生の青梅は食べられないの?

https://bit.ly/3fI0QPZ

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